2011年04月14日
ダビガトランとワーファリン
昨日の勉強会で読んだ論文です。
Dabigatran versus Warfarin in Patients with Atrial Fibrillation
(N Engl J Med 2009;361:1139-51)
ワーファリンという薬をご存知でしょうか?
いわゆる、本当に血液がサラサラになる(血液が固まりにくくなる)薬です。昔からある薬ですが、「この薬を飲んでいる方は納豆を食べてはいけません!」と言われるとピンとくる方も見えると思います。
このお薬は、心房細動という不整脈がある方に対して、脳梗塞予防に使われます(この不整脈があると普通の方よりも脳梗塞になりやすいのです)。
良いお薬ですが、定期的に血液検査をして、サラサラ具合(血液の固まりやすさ)を調べて、必要があれば飲む量の調節をしなくてはなりません。
ダビガトラン(実際に売られる時はプラザキサという名前になります)は、3月に出た新薬で、「定期的な血液検査が要らない!」のが売りのお薬です。納豆を食べても良い、というのも、納豆好きの日本人にはたまりません。もちろん安くはないのですが。
この論文には、効果はダビガトラン>=ワーファリン、副作用はダビガトラン<=ワーファリン、つまり、ワーファリンと比較して同等以上の治療効果があるけれど、副作用は同じか、それよりも少ないですよ~と書いてあります。
もちろん、論文に書いてある事を100%信じるのは危険です。あくまでも、主治医の先生と相談して使用していただければ幸いです。
個人的には「やや高いし、14日分しか処方できない(新薬には1年間はそのような制限があります)けれど、良い薬だな~」と思いました。
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